東京タワーで開催される「東京BABYLON」「X‐エックス‐」BABEL IN 東京タワーも間近になってきました。
イベントではスタンプラリー(大人3,000円、子供2,500円)とビジュアルアート展(無料)が楽しめるとのことです。
スタンプラリーに成功すると記念カードがもらえて、『東京BABYLON』の登場人物である桜塚星史郎の誕生日11月22日(水)には限定カードが追加されるそうですが、この日はすでに予定枚数終了となっていました。
連載から30年経っても根強いファンがいる証拠ですね。
今回は『東京BABYLON』愛蔵版2巻の内容と感想を紹介していきます。
『東京BABYLON』のあらすじや登場人物、1巻の内容については以下の記事をご覧ください。
![](https://okomoriblog.com/wp-content/uploads/2023/10/東京BABYLON(1)-450x236.png)
『東京BABYLON』愛蔵版2巻 見どころ
- 星史郎がいう昴流との賭けとは?
- 「老い」や「いじめ」などの社会問題を扱ったストーリー
- 弟想いな北都ちゃん
星史郎がいう昴流との賭けとは?
愛蔵版1巻で昴流は幼いころに青年と桜の木の下で、ある「賭け」をしたことをうっすらと思い出します。
読者にはその青年=星史郎ということはわかっているのですが昴流はまだ気付いていません。
一方で北都は星史郎がただの「優しい」獣医ではないことは勘づいているような素振りを見せています。
星史郎は「賭け」についてほぼ勝ちを確信しているようですが、その「賭け」の内容はまだ明らかになっていません。
昴流と北都の祖母は昴流について占ったところ『桜』に攫われると出たと話し、桜には絶対に心を奪われてはならないと昴流に言い聞かせます。
桜といえば星史郎のことですよね。
私は昴流や北都に見せているホワイトな星史郎もブラックな星史郎も好きではありますが、この先の展開が〇〇なので好きなキャラクターに変わりはないもののただ好きとは言えないなんとも評価が難しいキャラクターになりました。(ネタバレになるのでこの辺りで)
「老い」や「いじめ」などの社会問題を扱ったストーリー
![](https://okomoriblog.com/wp-content/uploads/2023/11/man-8060589_1280.jpg)
『東京BABYLON』は現代社会の抱える問題をさまざまな角度から取り上げていて、物語を通して自分はそのことについてどう感じているのか考えるきっかけを与えてくれます。
問題が解決して万々歳とはならないところにリアルさもあります。
なかでも老人問題を描いた『OLD』というエピソードは久しぶりに読んでも考えさせられました。
あらすじを紹介します。
『東京BABYLON』VOL.6/OLD あらすじ
昴流は仕事帰りに公園で鳥に囲まれたおじいさんに出会う。その人は定年まで上野動物園で飼育員をしていたという。
動物の飼育員になる夢がある昴流は口下手で動物好きという共通項のある老人に好感を抱く。
娘夫婦とその2人の子どもと同居しているおじいさんだが、家計のことで娘には余裕がなく、父を『お荷物』扱い。
そして孫には『いつ死ぬの?』と聞かれてしまう。(おじいさんが死ねば姉弟別々の部屋にすると母から言われているため)
別の日、夢があれば生きていけると言ったおじいさんに昴流はおじいさんの夢は何かと尋ねる。
その夢とは早くに亡くなった妻の分まで娘が喜ぶことを百個するということだった。そしてそれは残すところあと一個だという。
『東京BABYLON』VOL.6/OLD 感想
結末は伏せますが、このエピソードは非常に切なくじわっとくるものがあります。
おじいさんがいいお父さん過ぎて。
家計のことで余裕がないとはいえ、父親の想いに気付いていない娘が悲しいですね。
そして孫の『いつ死ぬの?』という言葉。
まだ小さくて死ぬということが理解できていないゆえのセリフだということはわかるのですが、かわいい孫にこんなことを言われてしまったら悲しいを通り越して生きる気力を失ってしまいそうです。
誰でもいつかは年を取るのに年を取ることってネガティブにとらえられがちですよね。
CMなどで人生100年時代なんていわれるようになっていますが、生きるにはお金も周りの人の支えも必要ですし、長生きを手放しでは喜べないなと思ってしまいます。
日本はこれからも高齢化が続いていくので、『老い』については積極的に考えていかないといけないテーマであると感じました。
弟想いな北都ちゃん
昴流の姉・北都は弟をとても大切にしている素敵な女性です。
私も弟がいますが北都のような接し方はできないのでこういう明るいお姉さんには憧れますね。
愛蔵版2巻では陰陽師の仕事で出席日数の足りない昴流が補習に出かけるため朝食を準備して身支度を手伝ってあげるのですが、いざ出かけようというときに昴流に仕事の電話が入ってしまいます。
北都は即座に昴流を抱き寄せ、こう言葉をかけます。
大丈夫、お姉ちゃんがついてるぞ 何があっても『夢』はあきらめちゃだめだよ
東京BABYLON[愛蔵版](2)より引用
いやあ、いいお姉ちゃんだなあ。
私が北都ちゃんをお姉さんにほしいくらいですよ。
昴流は陰陽師の仕事を続けながらも子どもの頃からの夢である動物園の飼育係になることを諦めていません。
大学で獣医学部に進むために高校生活も一生懸命続けているんですね。
自分より陰陽師としての能力が上の人がいたら当主を譲りたいという昴流ですが、そのような人物は出てくるのでしょうか。
まとめ
『東京BABYLON』は関わる人がすでに死人だったり、傷を負ったり亡くなってしまったりとなかなかハードな作品ですが、これぞCLAMP作品という感じで私はとても好きです。
前回も書きましたがこの時代のCLAMPさんの絵が好き!
さていよいよ3巻は最終巻です。
昴流、北都、星史郎の3人がどうなるのか!
また近く記事を書きたいと思います。
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